幕張ベイパークの徒歩圏内にある見浜園にて、2021年夏の夜の日本庭園を舞台にした展覧会イベント「生態系へのジャックイン展」を観に行ってきました。この展示会に参加しているアーティストは幕張で活動されている方もいらっしゃいます。現地で頂いた資料やアーティストのホームページを参考に学ばせて頂きながら、実際にどんなアーティストが、どんな作品を展示しているのか14組の参加アーティストをまとめてみました。パンフレット代わりにご利用ください。
「生態系へのジャックイン展」って何?
本展は日本庭園という、自然を人為的に再構成することで本来以上の意味を創造する拡張環境で、現代アーティストやサウンドアーティスト、映像作家、建築家、研究者、SF作家など様々な分野で活躍する14組の作品を、茶の湯のプロセスになぞらえて配置されているとのこと。
ライトアップされた夜の庭園を回遊しながら、自然・テクノロジー・アートの結節点となる作品を鑑賞することで、自分を取り囲む生態系を再発見する展覧会。
会場となる「見浜園」は「日本の伝統的文化を表現し、接してもらうこと」を目的としてつくられた池泉回遊式庭園。
山や川、海、林などが表現されており、歩きながら四季折々に変化する景観の自然美を同時に満喫できます。

作家情報を事前に知ってから観に行くと、より理解が深まると思い、ちょっと調べてみました。
当日パンフレットも頂けますが、本記事もガイドラインになるかと思います。
参加作家や作品について調べてみた
※敬称略、順不同です
石川 将也 @kamone
映像作家・グラフィックデザイナー・視覚表現研究者1980年生まれ。慶應義塾大学佐藤雅彦研究室を経て、2006年より2019年までクリエイティブグループ「ユーフラテス」に所属。科学映像「NIMS 未来の科学者たちへ」シリーズやNHK Eテレ「ピタゴラスイッチ」「2355/0655」の制作に携わる。2020年独立。デザインスタジオcog設立。「光のレイヤー」、「マグネタクトアニマル」を発表。https://www.cog.ooo/
ALTERNATIVE MACHINE @alter_machine_
オルタナティヴ・マシンは「⼈⼯⽣命 (ALife)」研究から⽣まれた理論や技術の社会応⽤に挑戦する研究者集団です。国内外のALife研究者とパートナーを組む、ALifeに特化した世界唯⼀のテクノロジー企業です。ALifeの理論や技術の研究開発をはじめ、ALifeの理論や技術を用いたプロダクト開発、アート作品の制作を行っています。https://alternativemachine.co.jp/
後藤 映則
1984年岐阜県生まれ。武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科准教授。古くから存在する手法やメディアと現代のテクノロジーを掛け合わせ、目に見えない事象や関係性を捉える造形制作やインスタレーションを制作。主な展覧会に、「高松コンテンポラリーアート・アニュアルvol.09時どきどき想像」高松市美術館(2020/香川)、「オープン・スペース 2019 別の見方で」ICC(2019/東京)、「Ars Electronica Festival 2019」POST CITY(2019/リンツ)など。https://www.akinorigoto.com/

齋藤 帆奈 @0oHANNAo0
1988年生。多摩美術大学工芸学科ガラスコースを卒業後、metaPhorest(biological/biomedia art platform)に参加。理化学ガラスの制作技法によるガラス造形や、生物、有機物等を用いて作品を制作している。主なテーマは、私たち自身がその一部でありつつ、観測者でもあるものとして「自然」や「生命」を表現すること。

The TEA-ROOM @thetearoom_jp
「茶の湯」にまつわる作家が集まるアート集団。茶の湯を庭、建築、絵、書、香、華、音、器、食、衣、礼で構成される日本の総合芸術として捉え、そのコンセプトをテクノロジーやストリートカルチャーなどを通じて現代的に翻訳し、新たな空間の設計や体験をプロデュースすることやアート作品の制作を行う。https://thetearoom.jp/


関野 らん @srantokyo
東京大学工学部社会基盤学科、同大学院修士課程にて、建築家内藤廣に師事し土木と建築を学ぶ。2011年SRAN DESIGN設立。大学院在籍時より、従来の墓地の研究とともに、新しい埋葬形式を探求した墓地の設計に携わり、現在まで多様な墓地の設計を行う。人間の生と死について常に向き合い、分野を超えてランドスケープから建築、インテリアまで幅広くデザインし、100年後までつながる人の生きる場所を模索している。https://www.sran.jp/

滝戸 ドリタ @doritab
武蔵野美術大学短期大学部美術科卒業後、同大学デザイン情報学科へ編入卒業。ファインアートとデザイン、ゲームや映像など多方面での経験から、異なる機能や感覚を組み合わせることによって、いままでの感覚がずれるような新たな体験を作り上げる。また作品の発想は突飛であっても、テクノロジーと洗練されたデザインを並走させながら、多くの人が入っていける思考の入口を作る。https://dorita.jp/

田中浩也研究室+METACITY @metacity_jp
「METACITY」は、思考実験とプロトタイピングを通して「ありうる都市」の形を探求するリサーチチームです。市民の内面的な豊かさを担うあらたな都市のインフラとして文化・芸術を捉え、その実現を様々な分野のステークホルダーとともに多角的に探索しています。https://metacity.jp/
一方、田中浩也研究室では、デザイン工学(エンジニアリング)の視点から、デジタル・ファブリケーションや3D/4Dプリンティングの可能性に国内でもっとも初期から着目し、その先端を開拓しています。

多層都市「幕張市」
多層都市「幕張市」は、実在しない行政区「幕張市」を舞台に、新たな都市を作り出すリサーチプロジェクト。WEB3.0技術を応用した次世代の集団合意形成システムの開発、自律分散社会における新たな統治や物理性をともなわない環境における実在性と祝祭性のあり方をまず探求している。研究者やアーティスト、エンジニア、SF作家、官僚など多様な個人が草の根的に活動に参画。2021年からは都市研究をおこなうMITメディアラボCity Science Groupなどの研究室も参画している。こちらもMETACITYが関わっていますね。https://makuhari.city/

田中 堅大 @kntnk62
1993年、東京都生まれ。都市音楽家。都市の現象を観察し、音楽/サウンドアート制作に応用することで、都市を主題に音を紡ぐ「都市作曲(Urban Composition)」の確立を模索している。European Postgraduate in Arts in Soundにて、ベルギー・オランダ・フランスを巡りサウンドアートを研究したのち、都市の記憶を回想する個展「Urban Reminiscence——Sound, Object, and Rhythm」Sta.(2020/東京)を開催。https://kentatanaka.cargo.site/
Dead Channel JP
千葉市在住または千葉市に縁のあるSF作家の団体。メンバーは石川宗生、小川哲、高橋文樹、名倉編の4名。作家同士の相互扶助コミュニティを千葉市に創出し、コミュニティメンバーから世界に通用するSF作家を輩出することを目的に設立。団体名はウィリアム・ギブソンの名作『ニューロマンサー』のチバシティーについての有名な書き出し「港の空の色は、空きチャンネルに合わせたTVの色だった」(黒丸尚訳)より。https://dead-channel.jp/


ノガミ カツキ @z7z7z7z7z7z7z7
新潟県長岡市生まれ。2013年にベルリン芸術大学Olafur EliassonのRaumexperimenteに交換留学。2015年には武蔵野美術大学映像学科クリストフ・シャルルゼミ卒業。生きづらいインターネットとの付き合い方、現実とのギャップで歪んだアイデンティティと向き合う為に制作活動を続ける。主な展覧会に、Data : Salon XXXIIEastern Blocギャラリー(2018/モントリオール)、「Foreign Bodys」ゲーテインスティトゥート(2017/上海)、など。https://katsukinogami.co/


松田 将英 @masahidematsuda
デジタル社会における匿名性や集合知を主題としたパフォーマンス、インスタレーション作品で知られる。ソーシャルメディアをベースに様々な名義での活動後、2019年より実名で活動する。近年の主な展覧会に、「Mob World Reverb」TALION GALLERY(2021/東京)、「ENCOUNTERS」ANB Tokyo(2020/東京)、「超現代美術展」会場非公開(2020/東京)、「White Magazine」EUKARYOTE(2019/東京)、「AMBIENT REVOLTS」ZK/U(2018/ベルリン)など。2016年「Prix Ars Electronica」準グランプリ受賞。https://www.masahidematsuda.com/

Ray Kunimoto @raykunimoto
1991年NY出身、東京育ち。2017年よりNY在住。慶應義塾大学文学部美学美術史専攻卒業。独自の立体音響システムやテクノロジーを駆使し、体験者の振る舞いと空間を密接に関係させるインスタレーション作品を制作する。「静寂」をテーマに日本の伝統的美意識と現代のテクノロジーを結びつけ、サウンド制作や、エンジニアリング、彫刻、空間設計など様々な領域を横断し、新しい音響体験を提示する。日本、アラブ首長国連邦、台湾、アメリカをはじめとし世界各地でサウンドインスタレーション作品を発表、ライブパフォーマンスを行なっている。https://www.raykunimoto.com/
作家やその作品を知ることで、実際に行った時の体験も深まることを祈っています。

展示会情報
会期 | 2021年7月24日~8月8日 |
会場 | 日本庭園「見浜園」 |
住所 | 千葉県千葉市美浜区ひび野2-116 県立幕張海浜公園内 ※Cブロックです、迷子になったので要注意です |
開館時間 | 18:00~21:00(最終入場20:30)※最新情報は公式ウェブサイトにて要確認 |
休館日 | 8月2日(見浜園は通常営業) |
観覧料 | 無料(事前予約制、詳細は公式ウェブサイトへ) |
主催 | 千の葉の芸術祭実行委員会 |
アクセス | JR海浜幕張駅南口徒歩10分 |
